4/9（土）４ヶ月ぶりに吉舎いこいの森へ。

ここのところスキマキャンプだらけだったので、今回こそは久しぶりにゆっくりキャンプを堪能してやると意気込んでいた。

10時到着から位置決めに30分、設営より時間を掛けて吟味を重ねる。

時折、陽が覗く程度の曇り気味な空模様だったが、気温は高くぽかぽかとして過ごしやすい。

日中は村の鍛冶屋のハイバックチェアを出し、誰にも邪魔されることなくゆらりと読書。
左手は浅い谷になっており、本から視線を外すと眼下には素晴らしい自然が広がる。




最初は少し五月蠅いと感じた、小さな滝ほどの音量の川のせせらぎも、いつの間にかまったく違和感のないBGMに変わっていた。




そして今回のお題「焚き火だけで賄うスローキャンプ」へ。

直火のようで直火でない、キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ステンレス イージーファイアベース 焚火台 UG-6と




半分をグリル、半分をテーブルとして使うためのCAMP MANIA PRODUCTS / BONFIRE GRILL STAND (M)

20㎝の高さはローチェアとも相性がいい。




最初の火入れをし、昼食の用意を始める。

焚き付けにはフェザーと薪をバトンした細木、火口にはティッシュペーパーを用い、ファイアスターターで着火。
麻紐を忘れたのでティッシュペーパーというのが締まらないが、トーチはもちろんライターやマッチも使わないことには拘った。




ラウンドの鯵を二枚におろし、ハーブミックススパイスを振ってオリーブオイルでソテー。

格好だけだがJIM BEAMでフランベを。




手間だが、自然を身近に感じながら料理自体を楽しめた。




パスタ用のトマトソースを絡め、火から外してオリーブオイルをかけて完成。




おっと！

くるみ入りライ麦ブレッドと大事なものを忘れていた。



食後のコーヒーくらいはバーナーでええか・・・なんて思ったが、車へCB缶を取りに行くのと（といってもその距離５ｍ）バーナーを出してセットする手間のほうがやけに面倒な気がしたので、やはりここでも焚き火で湯沸し。

ちなみに、焚き火は継続させていないのでその時の用を足すためだけに都度、火を起こしている。




読書もほどほどに、夕食用の薪の準備をしてから「香遊温泉」へ。




温泉から戻り、麦力補給をしつつオイルランタンに火入れなどする。

毎度の金麦、こだわるのは味にではない。
かなり前だが、仕事の関係でメーカーから大量のサンプルを貰ったことがあり、その恩返しとでも言おうか。




すっかりお馴染みのペトロマックスHL1ストームランタン、理由は分からないが廃盤になるそうだ。
ハリケーンランタンの特大サイズと比べ、照度はそれほど変わらないのにすこぶる燃費が良い。
芯の耐久性や炎の美しさも抜群な優等生なのに残念だ。

数日前ひろぞーさんから廃盤になることとナチュラムのセール情報を教えてもらい、すぐに予備を買った。




椎茸と菊菜、焼き豆腐にしらたき白ネギのシンプルすき焼き。

夜が少し冷える程度の季節にはピッタリだ。




お楽しみ第一ラウンド。

強く熱した鍋に肉を投入したら、間髪入れず醤油と砂糖をまぶし全体に絡め焼き、少し赤身を残したまま卵に通す。
口の中に広がった旨味と油っ気が消えないうちにビールを流し込み、冷めないうちに２枚目へ。

ここまではスピード命。




余韻を楽しみながら具材を煮込み、チビチビやりながらゆっくりつつく第二ラウンド。




やや肌寒い夜空の下、甘辛くもあっさりとした野菜の旨味を楽しみながら「４５℃ぬる燗」でほっこり。




ようやく観るための焚火へ。




太薪２本で作る、静かに揺らめく炎。

以前は轟々と燃え盛る焚き火が好きだったが、その趣向も変わってきた。
歳のせいか、このところの心境が落ち着いているのか、そんなことを頭では考えようとしていたが、当の心は炎を眺め入って空っぽだった。




ナッツをつまみながらバーボンを。

ナッツは前回チビ男とのキャンプの残り物。
ソロもいいが、やはり息子とのキャンプは何物にも代えがたい。そんな思いが去来し、少しホームシックになった。

急にせせらぎだけでは寂しくなり音楽を聴く。




頭上を木々に囲まれ、さらに曇り空。
今回、唯一足りなかったのは星空だ。

次は足りなかったそれを満たすために別のキャンプを目指し、計画を練ろうとする自分がもうここにいる。




朝のコーヒーも火起こしから始める。

特に思ってもいないのに、手間を掛けたからか普段より旨いと感じるから不思議だ。




朝食は二日目のすき焼き。

鍋用カット野菜を煮込んだ後、うどんを投入し卵にくぐらせる。
朝金麦は至高の食前酒。




食後、周辺を散策。
本来素晴らしい自然の森なのに、妙なところで人の手が加わっている。
写真右下にあるホースがまさにそれだ。




シェルターなどを片付けてハンモックを設置。

冬に来た時の落ち葉の絨毯は概ね片付けられ、すっかりキャンプ場としての顔になっているが、そのことが逆にここ本来の良さをスポイルしていた。
さらに残念なのは、片付けられた落ち葉が限られたいくつかのサイトの中心のほぼすべてで野焼きされ、その跡が残っていることだった。そもそも張れんやないか・・・(;´Д｀)

集金にきた管理人さんに角スコを借りて、サイトを掃除することから始めていたのは書きたくないエピソードである。
自分が運営者ならもっとこうするのに、と思うことがいくつもあった。




ラストの昼食。

飯盒で炊くとき、沸騰するまでは蓋をしないでいる。
炊き上がりに影響はないし、沸騰を目視で確認することでまったく失敗する気がしない。




カレーを食う気はなかったのに、売り場で見つけてしまったLEEの新商品「５倍ブラックカレー」

学生時代に通っていた図書館のカレーが、やけに色味が黒くて異常なほど旨かった記憶から自然に手が伸びてしまった。
結論はというと、その想像の味にはまったく合致しておらず、次にLEEを食うとしたらいつものスタンダードな10倍になるだろう。




大満足なキャンプだったが、帰るために船という公共交通機関を利用しなくてはならない私にはある問題が発生する。

というのも、近くに座っていた乗客が全身燻製の異臭を放つ自分から離れるように席を立ってしまったのだ・・・
思い過ごしかもしれないが、さすがに自分でも気になるレベル。
これは対策をしなければいけない。



突然、変わった趣向。
何がきっかけとも分からないが、しばらくこんな遊びを続けてみたいと思った。


しかし私の財布はそれに対応すべく、薄いものがさらに薄くなる一方である　　　　　。