願わくば、毎日でもこの湯に浸かりたい。
そんな温泉を昨年見つけてしまった。
岡山県北部の極上湯「真賀(まが)温泉」である。
近くに野営し、せっせとこの温泉に通う。
そんな旅が今年で2回目になる。
積雪の影響なく、湯の温もりがありがたい程度のキンとした朝夕の冷え込み、まとまった連休となればこの時期だ。
幕営地は岡山県北の「勝山運動公園キャンプ場」。
所用で到着は夕刻になった。
先客のファミリーキャンパーさんがいらっしゃたので、なるべく離れた場所へ設営する。
ひときわ大きなオオモミジが目を惹いた。
ゴソゴソしているうち、すぐに日が暮れてきたので早速お待ちかねの湯へ。
飽きるほど極上湯に浸かった後、足早に野営地へ戻って、芯から温まったカラダに冷えたビールを流し込んだ。
今夜も鍋だ。
最初にお断りしておくと、これからしばらく私のキャンプはほぼ鍋かおでんの限定になる。
多少ネタは変えども「またかよ!」は間違いないので、その点のツッコミは勘弁してホスィ(;´Д`)
今回は河豚に2割引きシールが張られていた。
もちろんトラフグではないが、雑魚フグも十分に旨い。
特製必勝出汁ならなんだって旨い。
ぼっちな食事をひとしきり堪能した後、ST-310にダイソーごみ受けセットヒーターアタッチメントを載せ、燃焼実験をしてみた。
数分でカフラシルの内部は点火前10℃から20℃を越えた。
アルストに比べれば、はるかに実用的ではある。
ただし面白味はない。
手持ちの五徳では安定性が低く、転倒させずにクッカーを載せることが難しいが、これなら問題ない。
アルストでは、火力の弱さも相まって湯沸しには気が遠くなるほど時間が掛かるが、これならいつまでも熱燗にありつけんがな・・・(;´Д`)
ということにならずに済む。
その後、この日は大人しく就寝。
翌朝、場内を少し散策。
まだ綺麗に紅葉している木があり、思いがけず得した気分になった。
朝の冷気で身体を冷やしてから、風呂へ出掛ける。
極上湯と言われて見れば、まったく期待外れに見えるかもしれない浴場。
現にアメニティなんてものはなく、シャワーすらない。
おまけに9人も入れば満員というほど狭い。
しかし、泉質は歴代の殿様お墨付きらしく素晴らしい。
かなりヌルっとした湯だが、ほぼ無臭。よくある硫黄臭はまったくない。
浴槽は130㎝ほどもあり非常に深いが、奥地の渓流を思わせるほど湯が澄み切っていて、底がハッキリと見える。
38℃くらいのぬるい湯は源泉。
この湯に30分ほどじっくり浸かると、まさに芯から温まる。
竹筒から常に源泉が湧き出ており、飲用もできる。
換気扇などというものはなく天井の通風孔のみ。
見上げると屋根裏が見え、築100年以上は経っているだろうほぼ原木のままの古材が組まれている。
とても風情があり、眺めているとあっという間に時間が過ぎる。
これでお値段150円という奇跡の料金。
150円で買えるお肌つるっつるエステティック。
もしあなたの伴侶が、ここへ一人で足繁く通い出したとしたら
「何かある!」と思った方が良い。
行き来する道中は美しく、どこかホッとするような風景の川が続く。
数少ないオオサンショウウオの生息地としても有名だそうだ。
芯から温まった証か、車に乗り込むと瞬く間にガラスの内側が曇っていく。
真冬か長湯に上せてもいない限り、普段の温泉浴でこの現象は起きない。
この朝風呂後のビールが最高。
昨夜の鍋出汁を使って鍋焼きうどんに。
冷→温→冷→温のコンボがたまらない。
半熟の卵と出汁のカラミは、それだけで十分なご馳走だった。
食後しばらくして場所を引っ越した。
ぼっち感どうこうではない。
翌日の雨予報に備え、撤収しやすい場所にしたということも理由だが
場内のある場所に目を付け、是非この日、味わってみたい雰囲気があったからだ。
その名の通り、ここの昼間はまったくの「公園」である。
この先にかなりゴージャスな遊具が設置されており、たくさんの親子連れで賑わっている。
この状況でのソロはまずまずの気まずさ。
「あやしい!そっちへ行ってはいけない!」
子どもたちへのそんな父母の声が聞こえてきそうだ。
久しぶりのLEE10倍、冷凍カツ&ピクルス。
カレーならお米はテキトーという人もいるが、米の具合でカレーの味は相当変わると思う。
是非、炊き立てをおすすめしたい。
20倍ではやや辛すぎ、LEEの味わいを楽しめないのでガラムマサラソースで辛さチャージ。
この夜はおでんと決まっていた。
夜のお楽しみのお供にと、圧力鍋で別買いの牛スジをトロットロに。
レトルトおでんの出汁を再調合して煮込み、備えてから夕方の風呂へ出掛けた。
夜よ、ばっちこいだ。
後編へ続く・・・