無題 in 吉舎いこいの森キャンプ場

Scene-1

2016年09月01日 18:28

最後のソロキャンプは5月GW明け(記事はありません)だったので、この日8/27(土)は実に3ヶ月ぶりとなった。
山キャンプに傾倒したり、時間が取れなかったりという理由は確かにあったが、本音のところソロキャンプに行く気が起こらなかった。

理由は自分でもよく分からない、いや整理できていないと言った方が正しいか    

以前の記事で書いた天敵出現以降、仕事の基盤は激甚災害に見舞われたかのように崩壊している。
例えるのが難しいが、公式戦に登板したピッチャーが何の前触れも躊躇いもなく、突然隠し持っていた手榴弾のピンを抜きバッターに向けて投げるとでも言おうか。キャッチャーも審判も何もかもタダでは済まないが、そんなことはこのピッチャーの知ったところではない。
こんなあり得ない事が現実に起きる。

ピッチャーに例えた非常勤監査役であるこの男は、過去に任期途中で辞任しお役御免となったことがある。当時、経営合理化策の一環で致し方ない結果だったに過ぎず、何も退任に追い込んだという訳ではない。最終的には自ら身を引いたのだ。
ただ、その計画を推し進めたのが私だったことから筋違いな恨みを買ったらしい。伝聞によって後に分かったが、この男は肩書が大好物らしく、表面上合意のうえでの退任だったとはいえ、相当な私憤があったようだ。これは己の思慮の浅さを反省した。

そして今年になって先の恨みに加え、私が過去に左遷した女性従業員の傀儡となり、無力な彼女に代わって復讐を果たすという使命を帯び、再びその地位に付いた。恨みに女とくれば完璧である。監査役という立場にありながらそんなことはお構いなし、職務上知り得た機密ですら平気で攻撃手段に用いる始末。些細な物事の正誤確認に「首を賭けるか?」と言われる職場も珍しいだろう。

まずは、こんな人間がいるという現実を受け止めることから始めねばならなかった     

この日も特段行きたいと思わなかったのだが、じっとしていても前に進まないし、解決策を一人じっくり考える時間が必要だとソロキャンプに行った。
あいにく天気は優れない、風も強いというので余計なことに気を取られまいと谷間に位置する吉舎いこいの森を選んだ。



写真では分からないが、この日の吉舎は虫が多く全体に草が伸びてやや荒れた雰囲気だった。
シンボルの水源も枯れ気味で、川の流れには堂々たる姿も音もない。

何だか、追い詰められ鬱蒼とした森に逃れ込んだ落ち武者のような気分になってしまったので、いっそ他所へ行こうかとも思ったが静かには違いないと観念する。

着いたのはちょうど昼時、とりあえず食べるに足るだけの設営をした。
いつものロースタイルより、ゆったりハイバックチェアに包まれたい気分だった。


スキレットで温めるだけの昼食。
炭を熾す時間もないので、バーナーでスキレットカバーを超高温に加熱する。


その後、スキレットに食材を入れ、トーチでカバーを加熱すること数分。
下火はバーナーで、グリルに乗せ遠火でジワジワ加熱。


惣菜パン的なピザも手間ひとつ、オリーブオイルのひとかけで別物の味になる。


蚊取り線香の効能に常々疑問を抱いている私は、ソロキャンプでは滅多にそれを焚くことがない。
虫除けミストを塗りたくっているので線香が効こうが効くまいがほとんど関係ないが、まぁ何かのお呪いだ。


予報では低い降水確率だったが、いつ降り出してもおかしくない空模様。
昼間でも暗いと感じるほど頭上を葉が覆っていたので、少々の雨なら問題なさそうだったが念のためタープを張る。


ここでもまだ気乗りせず、ダラダラと設営。
労することなくMSR ファストスタッシュに籠って過ごすのも悪くないと思ったが、余計に陰気になりそうなのでやめた。


考え事をしたくて来たのに、何を考えていいのかの整理がつかない。
起きている事象は自分の責でもあるという一念が払拭できないのだ。


思いの欠片はバラバラのまま、パズルはまったく組み上がらない。
それならと本の世界に引き込まれようかともしたが、これもまた脳内で右から左に文字が流れるだけ。

もう観念して赤い世界でコーヒーを啜り、煙草に火を付ける。
少し早いが久しぶりにサウナへ行こう。気分の変わりそうなきっかけを落ち着きなく次々に求めていた。


モヤモヤと何かしら考え事をしていたらサウナ1セット12分の時間がすぐに経つ。
みっちり3セットもしたら身も心もスッキリ。
帰り道、車を運転していたら直接的解決には及ばないまでも、光明が差すまでしばらくどのようなスタンスで仕事に向き合うかという結論が、ふと導き出された。
「なんだ、そんなことか(-。-)y-゜゜゜」と。男なんて所詮こんなものである。


気を取り直してメシにする。
気温20℃を割ったこの日の夜は季節先取りの「すき焼き」を。
モモの赤身は肉の旨味が濃いが、焼きすぎると硬く締まるので生生焼けで頂く。


その後、割下を入れDean Martinを聴きながらゆっくりつつく。
One More Timeはチビ男もお気に入りの明るい曲だ。「ガキのくせにいい趣味してやがるw」なんて思ってたら顔が浮かぶ。
もし家族がなかったらとっくにブチ切れて手榴弾を投げ返し、仕事を捨ててることだろう。養ってはいるが同時にこれ以上なく助けられている。


酒たんぽで冷酒を作るのも久しぶりだ。
屋外で鍋と冷酒が合う日って実はそんなにない。


静かなバーボンタイムはソロキャンプのクライマックスだ。
でも飲んでも飲んでも気持ちよく酔えない。飲み続けると体の気持ち悪さが先に立ちそうで程々にしておいた。


焚き火もどこか物悲しい。
心からソロキャンプを楽しむことはできなかった。


翌朝、雨の心配はなさそうだったのでタープを外す。
曇天の森の中ではとにかく暗すぎた。


白飯に明太子を堪能したらTKGMに。
「明太子は卵の黄身と混ぜて食う。」辛い物はダメだった親父の可笑しな食べ方を思い出したw
でもこれが結構うまかった。



当初は昼過ぎまでゆっくりするつもりだったが、ダラダラ過ごす目的も持てず早々に撤収。認めたくないが、今の自分にソロは楽しめそうもない。






とか言いながらまた性懲りもなく行くんだろうなという気はしている     
充実してやることがせめてもの反撃だ。

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