降水確率50%がもたらす静かなソロキャンプ in そよそよ峡

Scene-1

2016年10月04日 18:28

降水確率50%     

正確には意味が違うが、五分五分な予報のもとではよほど好きな人(一般的には変人というが)しか外で遊ばない。

10/1(土)は前夜から昼まで雨、午後からはいつ降ってもおかしくない曇天という願ってもない空模様。
普通なら時期的にBBQで賑わっていそうなここも、予想通り人っ子一人いなかった。

近くのトンネル開通により、対岸道路からこの景勝地に響く車の音はほとんどなくなり、さらに濁流に洗われたのか人手によって片付けられたのか定かではないが、以前は点在していた直火跡や放置かまどは跡形もなく消え去り、レーキでも掛けられたかのようにフラットで美しい河原に生まれ変わっていた。

到着が遅れたのでとりあえずタープだけを張り昼食としたが、こんなことならもっと早く来れば良かったとプチ後悔。



クレイジーソルトを振り、たっぷりのクミン、カイエンペッパー、コリアンダー、オレガノ、黒胡椒、ガーリックパウダーを擦り込んでスキレットで焼くメヒカーナなグリルチキン。
オリーブオイルを引き中火で皮目から4分、返して蓋をしてさらに4分焼く。
スパイスの配合は適当だ。辛さの強弱は好みによってカイエンペッパーで調節する。
ライ麦ブレッドにレタスをごっそり乗せ、マヨネーズをグリグリ掛けたら出来上がりな簡単サンド。



お好みのペッパーソースを掛けつつ頂くが、ジューシーなチキンの肉汁やらなんやらが大量にこぼれることに抗えず、口を裂かんとばかりに開けて、はしたなく食べるのが必然となるため、シャレオツ草食系男子や腐っても女子というスタイルを通したい場面では提供ご注意の一品である。ただしウマい。

レモンやライムを絞りつつ食うと味はよりグレードアップするが、雰囲気には少々やり過ぎ感が出てしまい、余りにワイルドマッチョになってしまうので完全ぼっち以外ではあまりおすすめしない。



食後のコーヒーブレイク。最高である。
先の料理はビールとかっ食らいたいのが本音であったが、この後はサウナでの脱脂修行があるので自粛する。

何かと活躍している真空断熱カップ。
愛用しているようだが、実はコイツの用途は「真冬の熱燗を冷まさず楽しむため」だけである。
いくつもカップを持っていくのが物臭なので横着して使いまわしているが、熱燗以外はハッキリ言って味気ない。
シーズン以外はそろそろ降板してもらうつもりだ。




愛用といえば、少し前、山キャンプ用にあつらえたFREELIGHTというガレージブランドのチタン製ウルトラライトネイルペグも最高である。
類似品がいくつかあるが、これを選んだのは唯一ロープの通し穴がないタイプで、よりペグ自体の強度が信頼できるだろうと評価したためだ。
硬い地面に下穴を空けるためのペグというだけあって、こいつが刺さらないという場面は滅多にない。

傍らに置いた石はこのネイルペグで真っ二つに割ったもの。
鍛造ペグなら打ち込みやすさもあってもっと易々と割ることができるが、ネイルペグの重さは18㎝エリッゼステーク(写真は28㎝のもの)の約8分の1というわずか9グラムでこの破壊力。
貫通用と言いながら、砂地でなければ地面にガッチリ食い込むのですぐにひん曲がるアルミ製を買う理由がなくなった。



さて、ペグでひとしきり遊んだら設営を完了させる。
このときテントとタープの連結に拘らなくなった自分にふと気付く。
いつの間にか少しオトナの味を覚えたようだ。



そよそよ峡は「近くに風呂がない」で通ってるらしいが、実は近くにある。
見た目ジムというかまんまジムなので分かりにくいことこの上ないが、普通に温泉入浴ができ、テレビ付きサウナで心行くまで修行することもできる。
ただし16~18時頃は手練れの地元修行僧が多く訪れるため、ビギナーには色んな意味でハードルが高い。
私はほとんどの修行僧の顔を覚えてしまっているが、むやみに話し掛けたり話題に意見を述べるようなことはしない。
ヨソ者には危険すぎるのである。
修行するなら是非とも上記以外の時間帯をおすすめする。



9月、10月は連休の行楽に子供3人の連続お誕生日会とあって暴飲暴食の機会が多く、油断するとあっという間に脂肪を蓄積させてしまう。
秋らしく銀杏を炒って糖質70%オフで乾杯だ。



当初不漁の報道もどこへやら、生サンマもすっかりお手頃価格に。
1年前も同じように秋を食ったソロキャンプに思いを馳せる。



それぞれ刺身と塩焼きに。
意外な組み合わせだが、ダークラムのロックとの相性は想像通り抜群だった。
脂の乗った光物は捌きたてでないと本来の旨さは味わえず、時間が経ってしまったスーパーなんかのそれと比べると別物だ。
熱ダレ防止のため、皿→氷→ラップに乗せて冷気を保つ。



完璧な焼き加減。この日は集中している。
まるでパンチが止まって見えるようだ。



シメには地物の獅子唐辛子。「いいね!」があったら押したかった。



同じ色した客人が。
ここらで生まれた兄妹達なのか、気付けば数匹がたむろして遊んでいた。



松茸をビビらせているCMで話題沸騰中の霜降りヒラタケ。
「いや・・前に食った時はそれほどでも・・・」と思っていたが、今一度その真相を確かめるべく、朝食用のコイツを一房だけ焼いてみた。

が、松茸がビビる理由などどこにもなかった。
松茸はおろか、椎茸に舞茸やエリンギ、しめじやえのきさえビビらせることはできない。
あまりの期待外れから不意にミッキー・ロークの猫パンチを思い出してしまった。
リアルキノコ界では唾棄すべきステマに怒号が飛んでいることだろう。やはり自分の記憶は正しかった。


別名「焚き火イラズ」なHL1。廃盤になってしまったらしいが、やはりこいつは秀逸だ。
同じオイルランタンでもDIETZの炎はLED電球のように眩しくて直視していられない。

単体でもいいが、直火のようで直火でない焚き火と合わせればさらにイイ。
河原のような場所にはうってつけのキャプテンスタッグ ステンレス イージーファイアベース 焚火台 UG-6は今も大活躍中である。
もう一回り大きければ言うことなしなのだが。



21時になった頃だったか、ラムもかなり回ってきてそろそろ片付けるかと腰を上げると遠くの芝サイトに明かりが見えた。
ライダーさん達が寝床を求めて来たのか?まあどんなに騒がれてもここまでは聞こえまいと警戒を解き、寝る体制に。
あれがまさか赤い糸の親子だったなどと思うはずもなく・・・。



翌朝、話題のヒラタケを具材に「永谷園 松茸のお吸い物」を使ってエセ松茸ご飯を炊いた。
しっかり香りを出してやろうと2合の米に対しお吸い物は3袋投入。薄口醤油で味を調える。

結果・・・

お吸い物の具材である海苔やねぎといったものが余計な味を付けてしまうが、まあこれはこれでアリだった。
ただ肝心の松茸の風味はというと「どこいった?」という感じ。加熱で飛んだのかヒラタケの香りと相殺されたのか・・・

香りを楽しみたければ、炊いた後に具材を除いた吸い物をぶっかけて雑炊風か・・・いや、なかなか手強い。
気が向けばもう一度やってみたいと思う。

松茸の価値が激減するほどヒラタケが奮闘してくれれば願ったり叶ったりなのだが、そんな日が訪れることは夢のまた夢であろう・・・

なんてやっていたら芝サイトの人達は早々に撤収したようだった。
そういえば朝、まだシェルターでモゴモゴやってたら河原に子供二人の声がしていたのでライダーさんじゃなく親子だったのか、子連れでレイトイン・アーリーアウトなんて珍しいな・・・

くらいにしか思っていなかったのだが、それがまさかanrisaurusさん親子だったとはw

チラッと見えたシルエットが例の彼に似てる気がしたが、河原に寝てるソロのおっさんではガン見&声掛けは不審者丸出し・・・やめておいた。もし人違いだったら通報されかねない。
それはそれで正解だが、なんとも痛いニアミス。

次の機会に期待したい。

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