ぼっちもいいが時には・・・in そよそよ峡

Scene-1

2016年11月08日 18:55

前回のソロキャンプのとき、是非張ってみたいという場所を見つけていたので10/22(土)はそれを実行しに。
このキャンプ場一帯では最も上流に位置するところ。
自然のワンドになっており、渓流の河原にありながら静かな水面に異世界感が味わえる。

ただし増水すると真っ先に浸かるだろうから、上流域の天候には十分注意しなくてはならない。



快晴とまではいかないものの、雨の心配はなさそうだった。
風が強く日中でも肌寒いが、そのおかげで至高のぼっちが予約済みという空気が流れている。
それにしてもなぜこれほど水に惹かれるのだろう

とめどなく溢れる水を見ていると、ふと浮かぶ    

全国屈指の高単価を誇る我が自治体の水道料金。
6人前の水道代に、どこかいつも怯えながら蛇口を開ける私の脳裏には「これが家で使えたらすっげー金浮くよな・・・」というリアル主婦のような煩悩が。



くだらない夢に思いを馳せた後は、またもや昼寝だ。
昼間っからシュラフに潜っているのが世捨て人のようで自分でも笑ってしまうが、これぞ非日常。



今回は日没に間に合わせようとサウナから早めに帰還。
同じ第二部も、日没後と夕暮れからのスタートではゆったり度が違うなと痛感。



脇にはずっと崩れないで残っているケルンが。誰が何のために積んだのか。
ルートの分かりにくい山ではホッとする存在だが、河原にあるのは少し気味が悪い・・・



ポールにカッコよくぶら下げているウォーターボトルの中身はスポーティーなものではなく「持参した酒」だ。
そろそろ倹約に努めないと年度内のキャンプ資金が枯渇してしまう。
一見孤高のソロキャンパーもこんな生活感に溢れていようとは誰も思うまい。
まあここには他に誰もいないが     



チーズとナッツと狙ったように吹き込む煙で自分を燻製に。



この日は朝起きた時から「肉が食いたい」なんて珍しいことを思ったので、忠実に叶えてやることにする。
倹約とか言ってたクセに。



ロース、センマイ、レバーは合計200g。
多くも少なくもないドンピシャなコーディネート。
しかし生食提供禁止だなんてよくもまあくだらないルールを作ったものだ。



熱燗をやりながらふと用済みの炭に目が留まった。
轟々と燃えてはやがて落ち着き、そのうち灰になって役目を終える。
まるで人生のようだ。



ダイソーストーブはこの温もりが216円であることの満足感が半端ない。
ホヤ役の茶こしが少々くたびれてきたので交換時期だが、1年持ったから上出来すぎる。



初秋の装備、着込みのまま。
気温はグングン下がり、虫もいないが季節の変化に付いていっていない人間にも辛い夜。



ぼっちをいいことに音量大き目の音楽と酒に酔い、この後ランタンも消さずにいつの間にか眠っていた。
冬の如く冷え込んだこの夜は寒さで何度も目が覚めてしまった。タープ寝はもうやめよう。



翌朝、朝食の準備をしていると誰かが河原に下りてくる音が。
その人物から不意に「おーい」と声を掛けられる。

そんな声の掛け方をするなんて知り合いか馴れ馴れしい・・いやフレンドリーなどこかのおっちゃんくらいかと思ったが、どうも記憶にない声。
後者かなと思ってタープから顔を出すと、なんとブログを始める以前からのキャン友iさんだった。不覚にも久しぶりすぎて分からず。

こちらが寝入った後、芝サイトに張っていたらしい。思わぬ出来事に心が躍った。
残念ながらお互いあまり時間もなかったので近況などを少し報告し合っただけに過ぎなかったが、置き去りだった古い約束を果たしてくれるという。
さっさと朝食を済ませて駐車場へ向かった。
こんな気分で食ったハンドメイド味噌汁と野沢菜のあっさり朝食が最高だったのは言うまでもない。



2年以上も前だろうか、「テントをやる」というそんな冗談のような約束を果たそうと、再会を待ってずっと車に積んでくれていたらしい。
その嬉しさは感慨無量だった。

時間の隙あらばどこかに張りに行っていた、野営を心から愛している山形人。
こちらへ転勤してほどなく、仕事に忙殺されっぱなしで野営できずにいるという彼をずっと案じていたが何とか元気そうでなによりだった。

またの再会を誓い、早速試し張りをしたらそよそよ峡を後に。

至高のぼっちもいいが、お互いソロでゆっくり酒を酌み交わそうという彼とのもうひとつの約束もそろそろ果たしたい。

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