ばっちこいから迎えた夜。

狙っていたのは管理棟前の、葉を赤く染め切ることなく、ほとんど枯れ落ちたオオモミジの木。

残り葉は少ないにも拘らず、ちょうど水銀灯の横にあり、それに照らされた夜の姿は終末前の言い得ぬ美しさを湛えていた。

もともと昼間狙っていたのは別の紅葉した木だったが
誇らしげな美麗より、こちらの儚げな姿に惹かれてしまった。




引っ越し先の場所から眺めたのでは到底ガマンできず。
テーブルなど一式、この木を眼前にセッティングしての夜タイムとなった。

食前のオードブルは「わさび味ベビーチーズ」
名前からして想像のつく味で、まさにその通りそれ以上の感動もなかったが、そんなことはどうだっていい。
このときは雰囲気ですべての負をカバーしている。




土鍋に移された昼間に煮込んだおでん。
今か今かと食べられる時を待っている。

いつまでも写真撮ってんじゃねえよ！
(#ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ!!

そんなおでんの声が聞こえてきそうだ。

だがスマンおでんよ、あと５分だけ待ってくれ。

このときの明かりはペトロマックスのみ。




第三者目線で見るとこのような風景。

実際の目で見るように撮れない自身を呪っている。
と、同時に管理人さん頼むから今は出てこないでくれと願っている。

何せ、他のキャンパーさんより、所々のキャンプ場の管理人さんとのほうが親密になったりする自分。

昨年今頃のここのキャンプでも、２時間ほど別の管理人さんとへべれけになりながら語り合ったりもした。




自分勝手に人との距離感を求める自分に

根明な振りした根暗なのか

根暗を装った根明なのか

時々そんなことを自問するが答えなど出ない。

いや、あえて出す必要などないと思っている方が正しいかもしれない。

どちらも自分であり、要するにキャンプでは、その時の気分次第のワガママ極まりない自分でありたいだけだ(´_ゝ｀)
キャンプをする私は、ひたすら自分に正直でありたい。

とにかく今だけはこの雰囲気に浸らせてくれ。

そんなことを思春期のような身勝手さで祈った。







十分お楽しみを堪能し、シェルターへ戻る。




照明が多く、明るすぎるのもどうかと思っていたが、虫の音もない静けさと相まって人工物独特の幻想的な雰囲気が醸し出されていた。




ST-310の実験２度目。
五徳をずらせばダイソーヒーターアタッチメントがバーナー部にカチッとハマる。




最大火力にすれば相当な暖かさだ。
ただし、ST-310のようなボンベ直結型ではボンベがかなり加熱されてしまい、非常に危険だ。

手をかざして耐えてみたが、３分ほども続ければ爆発してもおかしくないほど輻射熱を発している。

やるなら中火で！ボンベの温度には細心の注意を！

（※弱火すぎると今度は不完全燃焼を起こします。火の色に注視してください。中火ならガスが尽きるまで放置でも大丈夫です。３０秒ほど手でボンベを触り、熱が上がっていないことを必ず確認し、火加減を調整してください。）


中火でも十分な暖かさ。




前々日までこの日は雨予報だったが、早朝は気持ちよく晴れていた。
嬉しいハズレ予報だ。

早々に今回の旅、最後の湯へ。




戻ってすぐ、炊事棟でキッチンドリンカーに。
空きっ腹に流し込むビールがやっぱり一番うまい。




何を食べるか決めかねていたまま朝食の時間を迎えていた。
結局、前日のカレーで余ったゴハンを使い、手元にあった材料でガーリックライス＆ソーセージの燻製に。




フライパンのまま立ち食いで豪快にいった。




その後、だんだん雲が広がり出し、いつ降ってきてもおかしくない空模様になってきたので、大方の荷物は間もなく撤収。

ハンモックでがっつり朝寝。
このナマケモノっぷりが素晴らしく気持ち良い。




最後に見納めと、一番大きなオオモミジの傍で早めのランチ＆ビール。
今回は飲んでばっかしだ。



この日は珍しく夕方まで現地でゆっくり過ごした。



途中、ハンモックに包まって昼寝をしていたら「一体何者か？？？」という感じでちびっ子がツンツンしてきた　　　　。














「こっ・・・コレ〇〇ちゃん！ゃ、ゃ、や、やめなさぃ！」






母親の叫ぶようなささやきが聞こえ、可笑しかったｗ



実にヨゴレ感マックスな２日間であった。

さて、翌日は下期一番の大仕事が控えている。

名残惜しかったが重い腰を上げ、ゆっくりと非日常の魔法を解きながら帰路に着いた　　　　　。





最後に・・・冒頭の動画がこちら。
１０秒ほどの何でもない画ですが、こんな感じでやってました。
BGMはテーブル上のスピーカーから流れている生音です。